与沢塾第3期の感想
ネットビジネスで一時代を画した与沢翼の与沢塾についてまとめてみます。塾の特徴的なことは最初に成功者マインドを強く打ち出し、そのマインドを体得し、そのマインドの下で情報系のアフィリエイトのテクニックを使うのがいい、と受け取れるような展開でした。その手法は今でも使えるものがあると思います。もっとも媒体(メディア)の種類の変遷はありますので調整は必要ということですが。

与沢塾第3期の募集前後

与沢翼といえばネットビジネス界の雄です。現在は、海外に移住し、大資産家になることに成功した人でもあります。

ネットビジネスに参入したのは2011年。それ以前やっていたオンライン・アパレル通販会社の倒産を機に、転身して瞬く間に急成長させ、インターネットビジネス界の覇者となりました。

そしてこの塾が2013年12月に募集が開始されました。当時、与沢翼には自身のドライバーに対する障害容疑がかけられた直後でしたが、募集結果は上々でした。

なお、2014年にもう一つの会社も破綻したようです。同年12月にはシンガポールに移住しています。その後は順風漫歩のようです。

与沢翼の主張

プレ与沢塾で成功者マインドを説く

プレ与沢塾があります。本科が2014年に入って始まる前にということです。

ここでは彼の考えを披露します。日本の悪化する現状の中で、できる限り多くの人を救いたいんだと。たとえ逆境にあっても本心から向きあい、情報発信を続けて、諸刃の剣である言葉を使いこなし、実践していけば、成功できるとのことです。

つまり、与沢塾は単なるノウハウを教える場所ではなく、ビジネスの本質や応用の効くビジネスモデルを教えるスクールを目指しているということです。

本当にビジネスマンを生み出せるかどうか?成否のカギは、塾生が“流れ”を読み、制することができるかどうか、だといいます。ビジネスマインドを持ち、ビジョンをもってチャンスを見逃さないように、と言います。その際、大局を見定めて柔軟な対応が必要だとも。

一般人と成功者の違いを数多く対比していきます。まあ一般人は何もしないみたいな。プレ与沢塾の段階で、“一般人にはなるな、成功人になれ”と言うことです。ビジネスマンの成功マインドを強調します。

さらに塾生に対する要望も細かく多いように思います。

■ビジネスマンとして為にならない他人には近づかない
■人を見る目を持つ
■些細なことから本質を知る

成功者のやることだけをやれと言っているんですね。

そして訓示のようですが、成功者たるものは、

すべてをポジティブに考え
失敗や苦悩を人生の糧と考え
チャンスを大事にし
誠意には誠意で返し
面倒を厭わない

と見事に一般人と差別化しました。一般人には難しいことばかりと思います。

プレ与沢塾最後の方で、“勢い”の重要性を説きます。

ポジティブであり、周囲に理解者を置くと仲間が増えていき、物事を幸運に変える運気も生まれるとか。ごもっともです。なお、与沢翼の高級ホテル宿泊とか高級スポーツカー運転とか、すべて勢いを招くテクニックと考えているそうです。

そして最後の最後に、良いことを言いました。たった一つ大事なことは本質を見極めることだと。ネットビジネスでは、情報発信が本質ということでもあります。

本講で本質からのノウハウを説明

与沢塾はお金持ちを多く輩出する塾を目指します。アフィリエイトはそのための一つのステージに過ぎないということです。

まず最初に、お金の本質を知ることが大事。お金は稼ぎ手の稼ぐ能力に応じて集まってくるものです。お金は実体のないもので、概念に過ぎないので恐れる必要はないとのこと。

つまりお金は、有る(プラス)かゼロであり、マイナスはないと考えればいいのです。それどころかお金で信用をえることができ、信用・信頼はお金に換金することができます。

ですからお金を恐れて貯蓄に走るのは間違いで、どんどん投資して使うようにしないといけない。お金を恐れるとまた貧乏に戻ってしまうと力説します。

成功とはマズローの心理学でいう自己実現です。そのためには、

自分のビジネスを持ち
基準を大きく(大きな規模で考える意)
自己否定をする(要らないプライドを捨てるの意)

が必要とのこと。これはサラリーマンと比較しての話で、他所で自信は大事といっています。まあ、事業家によくある倒産や失敗についても、滅茶苦茶価値のあるものと自説を展開します。何故なら負けた時は徹底的に分析するからです。

そして成功のための神髄は、

複利で考える
人を動かす(家族も含めて)

にあると。確かにそうですね。複利が上手く機能すれば直ぐ大規模化できます。人を動かせば、その時点でマンパワーが何倍にも増えますから。まあ、動かすためには、褒めたり希望を与える必要がありますけど。

では思考と行動はどう考えるか?思考2に対し行動8だと言います。ただ、思考は重要な戦略を作る部分。何故?と何度も考え、本質を捉えるようにしないといけない。

高い目標を立て、現実的に逆算や分割をして細かく分析し、行動すれば達成可能だと。つまり10先の目標でも10分割し、易しい順に達成していけばいいという考えです。

人は行動している時にのみ進化するんだといいます。そして行動時には何も考えないで集中するべしと。

アフィリエイトの場合だと、知名度があるとかなり有利です。与沢の成功はこの知名度を戦略に組み込んだことにあるのでしょう。

有名な話で、与沢は金がないにもかかわらず何千万円もする有料のリスト(メールアドレス)を買ったというのがあります。これもリスト獲得後の資金回収を考えた上だったということ。

彼は行動して見事に達成しましたが、一般の人にはギャンブルにしか見えませんよね。やはり、緻密な分析ができ、100%集中した行動ができる、経験と知識の違いですね。

オプトイン・アフィリエイト

与沢翼が一躍有名にしたと言っていいアフィリエイトです。これは無料オファーです。つまり読者は1円も支払いません。ただ、メールアドレスを登録してもらうことでアフィリエイターは報酬を得るものです。

この背後には、これから商品のローンチとかメール販売をしたい企業やメーカーがいるわけです。報酬は、案件によりますが1件当たり500円前後です。もとは資料請求してもらう販売活動が、オプトイン・アフィリエイターを使うことで大量の資料送付先を得ることができるようになったのです。

オプトイン・アフィリエイトは成約率が格段に高く、与沢翼自身、始めた初月に500万円、次の月に1360万円稼いだそうです。与沢クラスになると成約件数1万件は普通で、頑張って3万件とか。

方法は、媒体(メディア)を使い分けていくこと。例えば、記事を書いてブログで紹介しアドレス登録を促し、次にメルマガがある場合は、紹介記事と登録リンクで誘い込む。更にはFacebookやTwitterでも紹介していくということです。また、インスタグラムやLine@でもやれることから結構なプロモーション手段は豊富です。

つまり媒体を作って増やしていくことです媒体を上手く使えばアフィリエイトの収入はドンドン大きくなります。与沢流ビジネスの基本は自分の媒体を作り、育て、使っていくことなのです。

なお、オプトイン・アフィリエイトに慣れたら、有料商品アフィリエイトに進むべきといいます。有料商品アフィリエイトは難易度が高く、成約数も大きく落ちますが、報酬は何十倍、何百倍と大きくなります。

やり方は、最初はオプトインとほぼ同じですが、一層濃いリスト作りをする必要があります。購買意欲を引き起こさせないといけませんから。

最初はSNSで始め、友達などを集めたりしてリストを作り、メルマガ・アフィリエイトを始めるのです。更に次はサイト・アフィリエイトにも展開できるのです。サイト・アフィリエイトではSEOのノウハウも必要となりますが、アフィリエイトの仕事の厚みも増すことは明らかです。
(注)SEOとはグーグル検索などで上位に検索されるようにすること

ブランディング

「あ~、あの派手な与沢さんね」と皆がイメージできればブランディングは成功です。つまりあなたを差別化するものであり、あなたを一言で言い表したもの、それがブランドです。

このブランドでナンバーワンが取れると、誰からも注目を集め、自然にマーケットシェアも大きくなります。2番と大きな差をあけられるのです。

ブランドの3大要素は、知られているか、好かれてか、尊敬されているか、ですが、最も重要なのは知られていること。知られていないのではビジネスできないということです。

なので1位を取ることが重要。このため、マーケットを限定し、自分の領域をしっかり捉えるのがいいです。ポジションが取れた後、領域拡大を目指すならば、他のライバルのことを調べればいいということ。

このブランドが個人つまり最終ユーザーに浸透していれば、あなたのネットビジネスは盤石になります。そして今のネット社会はそれが可能なのです。

ネットビジネスは、自分の媒体を確立できるかが勝負と言いました。媒体確立にはブランディングとかプレ与沢塾で話した成功マインドを媒体にぶち込んでいくのです。

ブランドの育て方は、

実績をぶちまける
他の信用信頼を利用(移転)する
第三者(既に評価の高い人)からの評価を得る

によって築き上げられるといいます。与沢の場合、派手さがブランドの側面であったのでかなりの投資を余儀なくされたのはよく知られていること。つまりブランディングのために金を惜しまなかったのです。

リストビルディング

メールアドレス集めのリストビルディングには色々方法があります。無料の物から有料のものまで。長くやっていたアフィリエイターが、有料にもかかわらず最悪なものをつかまされて倒産したことがありました。注意も必要ですが、まあ数が一挙に増えることから、同業者へのはったりには使えます。

リストビルディングで1番重要なことは経路。信頼関係ができるかどうかが重要なのです。各媒体の特徴を下表にまとまました。

媒体 概要 リストビルディング
YouTube 顔出しすればベター。視聴者からの共感が得られやすい。
Googleのアカウントを持っていれば、
YouTubeも簡単にアカウントをつくれる。登録者には動画アップでお知らせが言ったりで相互効果がある。
解説欄でブログやランディングページに飛ばし登録を得る
Twitter 140文字の制約があるので、現状を知らせるのが中心。自分の考えをつぶやくのが効果的。1日に何回もつぶやくヘビーユーザーが望ましい。相互フォローだとダイレクトメールも可能になる。 ブログやランディングページに誘って登録を得る
Facebook 友達を増やしていく。
友達にコメントで絡んでいくのが効果的でる。1日数回アップするのがよく、写真はつけるようにする。人数が増えるにつれ、いいねも増え、拡散効果も大きくなります。
ブログやランディングページに誘って登録を得る
ブログ オープンメディアで誰でも見れる。パワーメディアにも、マスメディアにもなり得るもの。
ヘッダーに自分のポジションを示すキャッチコピー。ブログ・ランキングに参加し上位になると、一挙にアクセス増のメリット。記事に自分の動画やプレゼントを置くのが効果的。
メアドを取ったり、らんでっぃんぐページに誘ったりする。ただし、アメブロは商用利用禁止。

これらの媒体は全てリストを取るためのもの。すなわち寝てもリスト醒めてもリストということ。これが収益の柱になるメルマガへ繋がるからです。

定量アクション

行動は、

リスト×知名度×信頼=成功

の公式に沿ったものにすること。また、ブランディング・ポリシーにも合致したもので行動計画を立てる必要があります。自分の好きなところにポジションを置けば、多少仕事量が多い場合であっても幸せなものです。

ソーシャルのヘビーユーザーとしてブレずに取り組む。Twitterでは、感情や気づき、意見を呟き、そして他のユーザーに絡み、ツールを使ってフォローするとフォロワー数が増えます。いい例はホリエモン。彼はTwitterとブログを使って生延びているといえます。

YouTubeでは週に1回は自撮りするのが良い。そこでは、自分の考えを盛り込むようにします。「結局どうなのよっ?」と突っ込みを入れさせないようにするのが良いのです。他に対談とかセミナー、旅行なども動画のテーマになります。一般にYouTubeは即効性は期待できません。半年とか1年かかって認知をされるようです。ただ良い動画ができた場合、ランディングページへ飛ばすのもいいでしょう。

Facebookは1日1投稿以上。2~3投稿を心がけましょう。友達を増やすようにしないといけません。投稿は子供とか人のふわっとした写真を付けるのが良いです。ポジティブで前向きの方がFacebookでは高評価。いいねを増やすように努力しましょう。いいねの数の何100倍以上の人が見ているから。内容はTwitterと同じでもいいです。書くためのインプットは2~3割でほどほどに。自分自身についての発信のほうがいい効果があります。

ブログは1日1記事。大変だがこれくらいのペースが必要です。記事内容は1から考える必要ないです。例えば、本を読んだら自分なりに味付けすればいいだけで簡単に書けるようになります。重要なのは素材やネタでブログのアクセスは大きく違ってくることを意識すること。また画像や動画は乗せた方がいいです。

メルマガは1日1通以上。2~3通がいいということです。ブログの記事はもちろん、Facebookの記事援用やTwitterの記事の拡張などしてメール作成するのもよいでしょう。

結局、YouTubeは別枠として、時間的にはブログで1時間、Twitterで15分、Facebookで追加で15分くらい。メルマガはブログの記事で済ませればいいというのが目標です。こう考えると作業量の割には時間は少なくて済む計算です。最初の段階は8時間とかかかっていたこともあったそうですが、慣れれば慣れるほど短い時間で出来るように。

複合スキーマで収益多様化

媒体や手段を複合させることで、リスクの分散や効率化を図り、加えて増収を狙うやり方です。つまり一石二鳥とか一挙両得を狙う手法ということです。例えば、リアルのセミナーを安価で集客し、信頼を得るとともにセールスを行って収益を伸ばすような。加えて、セミナーを録画すれば、それはコンテンツになりますので、商品も販売できますし、あるいは無料商品として使うこともできるという具合です。

アフィリエイトの場合だと、リスト取りをして、教育をし、セールをするというワーク・プロセスですが、ノウハウが身に付き実績が出れば、アフィリエイターからインフォプレナーとなって自分のノウハウを商材にして売ることができ、またコンサルティングを始めることができます。

媒体は時代と共に多様化はあると思います。例えばLine@とかインスタグラム、Pinterestと言ったものも利用者が増えているようです。しかし基本は同じです。先に上げたTwitter、YouTube、Facebookおよびブログをマスターしていれば新たな媒体を使うとしても習得は簡単です。

応用と発展

情報系アフィリエイトには大きなメリットとデメリットがあります。

他のビジネスに比べ、資本をあまり必要としません。原則無在庫ですし、原価も非常に小さいですから。また、前述しましたが、アフィリエイターからインフォプレナーやコンサルタントなどの多角化も簡単です。さらに自動化によって規模も簡単に大きくできます。つまり一般のビジネスのデメリットがメリットとなっているんです。

一方で、顧客の創造をしないといけません。これは経営学の神様であるピーター・ドラッガーが経営学の究極のテーマとしたものです。なので難しいことはご理解いただけるかと。

大規模化する手法にプロダクトローンチがあります。現在、これが大きな威力を発揮しています。有名なコピーライターがかかわった案件では何億円もの売上げを上げることはよくあります。このプロダクトローンチもメルマガアフィリと基本枠組みは同じですが、当然細部に違いがあります。

メルマガアフィリエイト プロダクトローンチ
集客 個人媒体(Twitter、YouTube、Facebook、ブログ)を主に使って集客 一斉リストビルディング
オプトインで募集、号外広告などの有料手段
教育 メルマガで教育 メルマガ+動画
動画にコメントを付けてもらう
セールス 教育終了後に販売サイト(セールスレター)へ誘導 セールスレターで、期間限定、稀少性、お得感などを植え付け一斉に販売

個人的感想

与沢流アフィリエイトと起業家マインドを上手く絡めて仕上げています。表面上出来栄えは良いと思います。2つの物を追求していますから、コピーライターは嫌うかもしれませんが。

しかし再現性はどうでしょう。与沢翼の直ぐ後を走っているアフィリエイターにはいい刺激となり、これは指導書となると思います。実際、塾生の何人かは大きな成功を収めたとか聞きます。

でも何百人以上もいる多数の塾生は、月100万円稼げばいいんだと考えているかも知れません。

そして、企業家マインドというのは、非常に難しい問題ではないでしょうか。これはこれで一領域を形成し、高額なコンサルタントがいると聞きます。つまりプレスクールで扱えるテーマではないんです。

与沢翼自身、この塾はナンバーワンだと自負を語っていました。ナンバーワンでなければ次はやらないということを自分自身の誓約にしているとも。実際、塾生だったか知れませんが、月1億以上稼ぐアフィリエイターかつインフォプレナーが出てきているので、誓約に従って次はないかも知れませんね。

とはいうものの、この与沢塾が一時代を画したことは間違いなさそうです。古典的位置づけを得たのを良しとするか、新たなナンバーワンを提示するかは与沢翼次第ということでしょう。

 

(注)敬称略

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